相続放棄、限定承認と退職金、保険金
1 亡くなった人に負債がある場合、相続放棄しても、限定承認(遺産の範囲で支払をするという申立)しても、死亡退職金も生命保険も受け取ることができます。
死亡退職金は公務員の場合は法律や条例で受給権者が定められ、民間企業の場合は、就業規則や退職金規定で労災給付の規定が援用されたり受給権者が定められているので、遺産ではないという解釈がとられているのです。
2 この場合も、職場からの借入金や共済組合や職場の信用組合からの借入金を差し引かれることがあります。退職金は遺産でなく、受給権者は、相続を放棄したり、限定承認しているのですから、職場の債権者は、遺産から取り立てるべきで遺産ではない退職金から差し引くことは誤りです。
3 当事務所では、地方公務員の死亡退職手当金について、職場の共済組合や信用組合からの借入金を差し引いて、遺族に支給していた事件で、職場と交渉して、差引を改め、全額遺族に支給した実績があります。
また、限定承認や放棄により、退職金や保険金を受取り、負債整理をした事例もあります。