マンション管理 | 不動産トラブル | 藤井義継法律事務所
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マンション管理

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近年、マンションの管理をめぐる紛争が多発しています。マンションの管理には、さまざまな法律や規則が関係しており、マンションの運営は簡単ではなく、さまざまなトラブルも発生します。

 

1.管理費の不払い

管理費滞納事案の増加

マンションの管理費の滞納は、近年増加傾向にあります。
管理費を滞納している区分所有者のマンションが売却された場合、買い主に滞納管理費等が承継されますが、その範囲が問題となっています。
管理費や修繕積立金は、マンションの維持管理に必要な費用であるため、原則として、買い主に承継されます。
しかし、駐車場の使用料や専有部分の水道代などの費用は、マンションの維持管理に直接関係ない費用であるため、買い主に承継されるかどうかは、明確ではありません。
裁判所の判決傾向としては、規約に支払義務が記載されていることを条件に、買い主に承継させる方向となっています。
一方、国土交通省は理論的立場から、滞納管理費等は買い主に承継されないとしています。
滞納管理費取立のための弁護士費用については、規約に支払義務が明記されていれば、買い主に請求することができます。

銀行との関係

マンションの所有者が自ら利用せず、賃貸している場合、管理組合は区分所有法に基づき、賃料を差し押さえることができます。一方、マンションに抵当権をもっている銀行も、抵当権に基づき、賃料を差し押さえることができます。
では、管理組合と銀行との差し押さえが競合した場合、どちらの差し押さえが優先されるのでしょうか?
賃貸借契約書に賃料と管理費や共益費が区別した記載されている場合、管理費や共益費に対する銀行の差し押さえを否定する判例があり、銀行の差し押さえ決定には管理費や共益費を除くという記載がなされています。
したがって、管理費と共益費に関する限りは、管理組合の差し押さえが効力を認められることになります。
賃貸借契約書に賃料と管理費や共益費が区別されず、賃料に込みとされている場合については、未だ裁判例がありません。しかし、管理組合は、管理費や共益費を規約で明示しており、金額を都合よく変えることはできません。
そもそも、管理費や共益費に差し押さえの効力が及ばないとしたのは、管理費や共益費はマンションの管理のため実費であって、マンションの価値が具体化した賃料とは異なるという考えに基づいているのですから、賃貸借契約書の記載によって、差し押さえの効力が及んだり及ばなかったりするのは、おかしなことです。

そこで当事務所では、賃貸借契約書に賃料と管理費や共益費が区別されず、賃料に込みとされている場合であっても、管理組合の差し押さえの効力を認めるべきであると考えています。

競売請求

管理費を滞納している区分所有者は、通常、銀行のローンも滞納しています。そのため、所有者が売却しない場合は、銀行が競売を申し立ててくれます。
しかし、銀行によっては賃料を差し押えて回収することを優先して、競売を申し立てない場合があります。このような場合、管理組合は、区分所有者全員の4分の3以上の賛成で、特別決議を決議し、競売を裁判所に請求することができます。

 

 

2. 駐車場専用使用権

消滅決議

マンション分譲時に、駐車場の使用権を分譲しているケースや、分譲業者が自己に使用権を留保しているケースがあります。このような場合、管理組合は、規約の改正や決議により、専用使用権を消滅させることができるのでしょうか?
この点については、最高裁判所は、専用使用権を消滅させる場合は、区分所有法の31条1項後段により、その区分所有者の同意を得なければ無効であるとしています。

使用料増額決議

また、管理組合は、規約の改正や決議により、駐車場の使用料の有償化や増額が可能でしょうか?
最高裁判所は、駐車場の分譲代金や、分譲後の使用年数等を勘案して社会通年上相当なものであれば有効としています。